■遂に琵琶湖へ辿り着く

今夜のキャンプ地は琵琶湖に決めた。
場所は長浜市。近江長浜城の近くである。
キャンプ場ではなくて、琵琶湖畔にある公園なのだが、綺麗な芝生があり、
テントを張っても怒られることはない。トイレも水道もあるし、金もかからない。

到着した時は、今まさに夕日が湖へ沈もうとしているところだった。
その夕日の中で我々はテントを張った。

モトコは何を勘違いしたのか、テントを持ってきていなかった。
テントがなければキャンプはできぬ。

 「ねぇあんちゃ〜ん、今夜テントに入れさせてよ〜」
  すださんのテントも大きいね〜、お願い!テントに入れさせてよ〜」
しかしそこへ、タカミツの文句が飛んだ。
 「ふざっけんなよ〜!キャンプでテント持ってこねぇバカが何処に
  いるんだよ!オマエは今夜は草の上で虫と一緒にごろ寝してろ!」
今夜のタカミツ、文句の切れ味が妙に良い。
タカミツがモトコに吐く毒舌は、昔から何故か手厳しい。
しかし威張っているが、酒はモトコの方が強かったりする。
身長もモトコの方が大きかったりする。
(それはここでは関係ないが)

 「いいじゃんよぉ、ねえ頼むよ〜、誰かテントに入れて〜」
例によってモトコは常時ニコニコ型の顔つきになって、
テントを張っている連中の周りをぐるぐると回っていた。
この常時ニコニコ型、見ていてなんだか面白いので、
なぜか からかってみたくなる。オレはモトコに言った。

 「おいモトコ、オマエ、人のテントで寝させてくれって頼むからには、
  その代償に、今夜はチーム文句の奴隷となって働きます!くらい
  の覚悟は当然あるんだろうね?」
 「奴隷って何すんのよ?」
 「買い出し、水くみ、料理、オサケのお酌、後かたづけ、まあそんなとこかな」
 「なによそれぇ!そんなの絶対やんな〜い!」
 「ああ、別にいいんだよ無理にやらなくても。もともとオレはどっちでもいいんだしさ」
  まあ今夜あたりはそんなに寒くもないし、虫と一緒に外で寝るってのもいいかもね」
 「あ、ウソウソ、やりますやります!言うこと聞きますから、だから
  テントで寝させてよ〜」
 「じゃあさっき言ったこと全部やれ」
 「絶対やだ〜!なんで全部なの〜!」

イヤだとか何だとかぶーぶー文句言いながらも、モトコは相変わらずニコニコ顔である。
そこが不思議だ。ニコニコしてるってことは、楽しいんだろうか?
それとも生まれつきそういう顔なんだろうか?
ますます面白い。
モトコもだんだん要領を得てきた。
タカミツに頼んでも強力な毒舌を吐かれて追い返されてしまうので、
ターゲットをオレとあんちゃんに絞り始めていた。

 「あんちゃ〜ん、テント入れてよ〜」
 「ふざっけんな!じゃあ今夜の晩メシつくれ!」
 「じゃあ、晩ごはんつくったらホントに寝かせてくれる?」
 「ただ単に料理つくるだけじゃダメだね、つくって尚かつうまくなきゃあねぇ」
 「もしおいしかったら寝かせてくれる?」
 「もしオマエがホントにうまい料理をつくって、そしてオレがそのうまさに納得
  したら、オマエのことテントに入れてやっていいかどうかを明日までに考えと
  いてやるよ。ハッハッハ!」
 「ダメェ!なんで明日なの!入れて欲しいのは今夜だけなんだよぉ!」

この会話は永遠に終わらないのでこのへんでやめにして、
銭湯の話に移ろう。


■銭湯へ行こう

旅先で銭湯に入るという行為は、何故だか妙に楽しいものだ。
観光地の温泉と違って地元の人々がたくさんいるので、
その土地の実生活の一端に触れられるのがいい。
ここ長浜では、子供達やおっちゃんのリアルな関西弁が飛び交っていて、
実に活気に満ちあふれている。

この日銭湯で体を洗っている時、タカミツの横に突如オカマ野郎が現れた。
不思議なことに、タカミツというのはどんな土地へ行っても、何故か
いろんな人々から話しかけられてしまうのだ。それも普通の人々ではなく、
ちょっと変わった連中から声を掛けられることが多い。なぜ話しかけられる
のか理由はわからないのだが、オレとあんちゃんの読みでは、どうやら
タカミツには「スキ」が多いんじゃないだろうか?ということになっている。
いつもボーっとしているように見られがちなので、そうすると、退屈して
いる話し好きの人々にしてみれば「格好の話し相手」としてターゲットに
されてしまうのだ。そして尚かつ、話しかけやすいキャラクターなのかも
しれない。いろいろと考えてみたが、それ以外に理由は見つからないのだ。
 「ねぇねぇ、ねぇねぇ、お兄ちゃんはさぁ、どこから来たの?
  かわいい顔してるよねぇ、う〜ん、どっから来たの?」
などと話しかけられて困っていた。しかしオレとあんちゃんはその様子を
見ながら、腹をかかえて笑っていた。

さて、銭湯から出て今夜の食事についてみんなで検討してみたが、
大した名案も浮かばない。

 「モトコてめぇ!テントで寝たいならちゃんとメシつくれよな!」
 「あのさぁ、私においしい料理を期待するのって、基本的に間違ってる
  ってことにみんな気がついてよ!わたしそんなに器用じゃないんだからさ。
  私に料理なんてできると思ってるの?」
 「じゃあ仕方ないね、今夜のテントは無しね」
 「なによ〜、ひど〜い!しくしくしく・・・」
でも相変わらずモトコはニコニコを崩さなかった。

この日はモトコにマーボー豆腐をつくらせることにした。
しかしモトコの料理は本気で期待できないということがなんとなくわかってきたので、
マーボー豆腐以外は全てコンビニのお総菜でごまかすことにして、
あとは酒を飲んでしまう作戦にした。
酒さえあれば、なんとかなるもんだ。
トニカクハヤクノモウヨ!



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タカミツ&愛車のセロウ。
おいモトコ、キャンプにテントは必需品だぞ。
チーム文句、琵琶湖に到着!
久々の再開に、お互いの写真を見せ合う。
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