2002 野辺山ツーリング 〔2〕 

激辛キムチ鍋と菊正宗の熱燗で寒い夜を乗り切れ!新メンバーを加えて野辺山の宴は熱く盛り上がる。




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翌朝は曇りだった。
眠っている間に雨が降ったらしく、気温が
ものすごく下がっていた。
こういう状況ではどこにも行く気がしないな。
夕べの残りの鍋をあたためて、朝食兼昼食。
その後はひたすらにのんびり音楽を聴きな
がら何もせずに過ごす。
贅沢な時間の使い方なのだ。

昼過ぎになってあんちゃんが到着した。
ようやくメンバーが揃った。
寒いので朝から焚き火。コーヒーを飲んでまったりと。
あんちゃん到着。
チーム文句の新ユニット(?)
話が少し横道へそれるのだが、本来今回はもう一人、参加するはず
だったメンバーがいるのだ。ウィラード松本氏である。
彼は中学校時代からのオレの同級生で、今回のツーリングへの参加
を心から楽しみにしていたのだが、仕事の都合でどうしても参加できな
かったのだ(次回は参加できることを祈る!)。
どうしてこんな話をするかと言うと、あんちゃんもそうだけど、最近はそ
れぞれのメンバーが仕事の都合でなかなかうまく集まれないという状
況が、以前に比べて確実に増えてきているな、と思うからなのだ。
我々もいよいよ社会的中堅どころとなってきて、そして自分の時間はま
すます持ちにくくなっていくのだろうなぁと、なんだかそんなことを実感し
てしまう今日この頃なのだ。

というわけで、話は元へ戻る。
「うへー!腹が減ったもんね!でも何もしたくないよー。おいしいもの食べて
 早くゴロゴロしようよ〜」
到着早々あんちゃんは叫び始めた。コトヤもこの意見には大賛成だった。
寒くて天気も悪いし、無理して走るよりものんびりメシの準備でもしながら
一杯やっている方が気が利いてるというもんだ。
早速3人で買い出しへ向かった。
しかしこの買い出しで、問題が発生してしまった。一番近くにある野辺山駅前の商店が休みだったのだ。
この店が休みだったことによって、全ての計画が微妙に狂い始め、人に道を聞いて走ってみても買い物できるような
店にちっとも着かないし、レタス畑の中を延々と(10キロ以上も)走っていたら猛烈に寒くなるしで、時間と体力を実に
無駄にしてしまった。レタスで有名な川上村の農道は晴れていればなかなか気持ちの良い道路なのだが、こんな時
にはただ寒いだけ。あちこち走り回った挙げ句、道路沿いにある野菜の直売所で野菜をたらふく買い込んで、キムチ
鍋と熱燗で暖かさを取り戻そうではないか、ということになった。とにかく早くつくろう。
というわけで、キムチ鍋をつくった。
白菜がまるごとあったので、これを小さなナイフでしゃきしゃきと
刻んだ。直売所の野菜は新鮮だった。さらにここへ、豚肉・長ネギ・
タマネギ・まいたけ・大根をぶちこんで、キムチの素を入れて完成、
となるわけだ。

しかしここでまたしても問題が勃発した。
辛いの大好きコトヤが少し先走ってしまったのである。
オレとあんちゃんの目の前で、コトヤは大量のキムチの素を鍋に
投入したのだ。
余談になるが、コトヤっていうのは暑さに関してもオレとはだいぶ違う皮膚感覚を
持っている。例えば冷房全開でみんなでぶるぶる震えるほどの寒さの中でも、コ
トヤだけ汗だくだくだったりする。だからコトヤの車に乗るときには、1枚余分に羽
織るものが必要だったりするのだ。でも暑がりのくせに、辛いものは大好きだった
りもする。
まあしかし、コトヤが辛党だということについては今回確実に我々のデータベー
スにインプットされたわけだから、次回から気をつければいいだけの話だ。
それにこんな風にお互いの趣味趣向がわかるというのも、それはそれでおもし
ろいものだ。だからキャンプは楽しいのだ。逆にコトヤにしてみれば、オレとあん
ちゃんの果てしなくなんにもしないペースには、むしろ戸惑っていたかもしれな
い。そう考えると、この場合本当の被害者はどちらだろうか?
「わ!なんてことをするのだ!そんなに大量のキムチを入れてしまったら、
もうこの鍋の運命はおしまいではないか!」
オレはかなり慌てて叫んだ。しかしコトヤは
(こいつらは何をそんなに驚いているんだ?)という顔で平然としている。
「ダメだよ〜、ボクちゃんお子さま味覚なんだから。辛いのダメだよー、ハッハッハ!」
あんちゃんも辛いのは得意じゃないらしい。
「えー?!こんなの全然ふつうでしょうが。辛くないよこんなの」
コトヤは二人からの激しい非難光線を浴びて、完全な防戦体制に入った。
味見をしてみたら、予想通りそれは相当に辛かった。
コトヤ流の感性では、この程度のからさはフツーなのだろうか。
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