旅も終わりに近づいた。
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Day 4 〔3〕 

■LAST NIGHT
琵琶湖が近づくにつれて、道が少しずつ混み始めてくる。
疲れはじめたところに渋滞というのは辛い状況であったが、
しかしながら、ゆるゆると走りながら周囲の風景を眺めると
いうもそれほど悪い気分ではない。
山を降りると、今度は田園風景となる。やはりこの大原あた
りが、今回の旅の白眉ではなかろうか?ゴールデンウィーク
のツーリングは、気温もちょうど良く、繊細な春の風景を眺め
ながら走れるので、実にうきうきするものだ。
琵琶湖大橋は大渋滞だった。渡りきった時にはすっかりくた
びれていた。しかしそこからは道が滅法空いてしまう。
古い銭湯には風情があった。
キャンプ場に戻り、銭湯に入り、今夜はテントの中で宴会である(寒いのだ)。
「そういえばタカミツとホセさんは到着したのかな〜?」
あんちゃんは携帯電話で連絡を入れた。
「ようタカミツ?どうなんだよ?なにやってんだよ?」
するとタカミツは
「ようやく着いたよ潮岬!夕焼けがきれいだよ、ここはいいなー!すごく
 気に入ったよ。やっぱり来てよかったー」
などとゴキゲンなのである。
そうか潮岬はそんなに良いところなのか、と少しだけ羨ましかったが、でも
やっぱりそんな遠いところには行きたくないオレなのだ。
湖畔の道路を快適なペースで飛ばす。ここから妙に風が強くなり、急激に寒くなってしまった。
田園風景の近江路を、ひたすらに走る。寒さが身にしみてきて、頭の中は「銭湯」と「おつけもの」で一杯。
それにしてもタカミツは、ホセさんに半ば無理矢理飲まされてるみたいで、いつもよりかなり
テンション高めになっている。
「うわー、ここっていいよー!サイコー!ヒョー」
あきらかに“変なタカミツ”になっている。疲れとオサケと初対面のホセさんと二人きりという
普通じゃない状況が、タカミツを怖いもの無しにしてしまっているのだ。
このように、遠く離れた二つの地点で、その夜の宴会も濃密につづいていったのである。
テントで漬け物&焼酎。
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