■7月29日(1)  本気で退屈

翌朝、またしても炭焼きの店に行ってウニ丼を食べた。
店員のオネーチャンは我々の顔を見るなり
「またウニ丼ですか?ウニ丼食べに来たんですか?」 そう言ってニヤーッと笑うのだ。
なんだなんだ、ウニ丼食っちゃいけないのか! と、まあ興奮しても仕方ない。
「はい、そうです」
ここはおとなしく笑われていることにした。

その後、することがないので、なんとなく森脇に顔を出してしまう。
もうなんだかこれが一定のパターンみたいになってしまっているのだ。
でも、行くたびにおばちゃんがニコニコしながら 「コーヒー飲んでいきな」そう言ってくれるので、
我々もつい顔を出してしまうのである。

さて、そろそろ天売からも撤収である。
テントをたたみ、荷物を積み込んで、港の窓口へ行った。
するとなんたることか、満員で乗れないというのである!
たったバイク2台なんだからなんとかなからないかと思ったが、小さいフェリーなので全然なんとかならないらしい。
それでもぎりぎりまで船の近辺でねばっていたのだが、近づいていくたびに、船員は我々を見ながら、
 「乗れないよ」
そう言って笑うのである。なんだかバカにされているような気がする。

仕方なくまたしても森脇へ。
「あら〜、なんだ乗れなかったの?」
おばちゃんはそう言いながら、またコーヒーを入れてくれた。
退屈なら、また釣りでもすればいいって言ってくれたけど、
オレもあんちゃんも飽きっぽいので、もう釣りする気力は100%無かった。
せっかく天売に来たのだから、最後に島を一周してみたけれど、どんなにのんびり廻っても、30分で終わってしまう。

そこから数時間は、もう本気ですることが無かった。
本を読む気もせず、眠る気もせず、ただひたすらに寝転がっていた。
あんちゃんは面倒になると、全く口をきかなくなる。
さっきから寝転がってだらっとしたり、海へ行って魚を見たりしている。
オレは鳥を見に行ったり写真を撮ったりしていたが、
それが終わるとすることがなくなって、ただ寝転がっていた。
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(左) 島の西は断崖絶壁の連続。
(右) 向こうに焼尻島が見える。