■7月27日(2)  最強コンビ登場

テントを張っていたら、なんともおかしな二人組が現れた。
白人と黒人のペアーである。
白人は丸顔にカウボーイハット、黒人はアゴヒゲがボウボウで、どう見てもカリビアン。
二人とも同じくらいに背が高く、大きなリュックを背負い、いかにも旅人の様相であるが、
その取り合わせがあまりにも奇妙なために、実に怪しげで、そしてユーモラスだった。

我々はこの二人を勝手に
「サンチョス&パンチョス」
と銘々した。

サンチョス(白人)の方がオレに話しかけてきた。

「アノチョットスミマセン、キャンプ場ハココダケデスカ?」
おっとサンチョス、結構日本語イケルではないか!
その意外性がおかしくて、笑いがこみ上げるのをグッとこらえながらオレは答える。

「そうだよアミーゴ、この島にあるキャンプ場はここだけなのさ!もっと雰囲気の
 良いキャンプ場を探していたのかい?でも残念だけどここだけなのさ」
 (実際にはアミーゴなんて勿論言ってません。ちょっと脚色してみました)
 
「オー、ソーデスカ、ザンネンネ、ワカリマシタ」
何年か前まではもう少し先の海水浴場にキャンプ場があったらしいが、
マムシが出るので閉鎖されているのだ。そのことを付け加えて説明したら、
「オー、ムシデスカ?ドンナムシ?」
サンチョスは日本語ヒアリングが少し苦手のようだ。

「ノーノー!ムシじゃなくてマムシだよ。スネークスネーク、ポイズンスネークね」
(毒蛇は、本当はVenomous Snakeです).

なんだかこのやりとりがすごくおかしくて、
あんちゃんと二人で暫くサンチョスとパンチョスの行動を観察してしまった。
二人はリュックを降ろしてテントを張ると、荷物を広げて洗濯物を乾かし始めた。
靴下でもパンツでもおかまいなしに広げて、キャンプ場のフェンスにぶらぶらと干していく。
二人とも上半身裸で、どちらも胸毛がボウボウ、そんな二人が小さなテントに入っていく様子は
笑わずには見ていられない。一体二人はどんな関係なんだろうか?そして何故、この小さな島に来たのだろうか?
あまりにも濃すぎる二人に我々もやや恐れをなし、遂に一緒にオサケを飲む機会もなかったので、
この二人の素性については永遠に謎なのである。

ちなみにパンチョス、体臭きついです!
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天売のキャンプ場。焼尻と比べると恐ろしいほど哀れである。
オレンジ色の建物の前にあるテントが、サンチョス&パン
チョスのテントです!
天売に着いてすぐに、ヒルメシついでにビールを飲んだ。
それにしても、どうしてサンチョス&パンチョスの写真を撮らなかった
のか、自分でも信じられない。かなりの心残りである。