■7月27日(1)  天売島へ向かう

今日はお隣の島、天売(てうり)島へ渡る日である。
夕べの残りのトマト鍋で朝メシを済ませてから、テントをたたんだ。
焼尻の島内をほぼ制覇してしまい、退屈していたところだったので、違うところに行けるのが楽しみで仕方ない。
 
パッキングを終えてから、港にある郵便局へ立ち寄って荷物を受け取った。
7月の道内は予想外に冷え込む日が多く、夏用の寝袋ではガマンできない時があった。
そこで友人に頼んで、冬用の寝袋を郵便局留めで送ってもらったのだ。
ここ数日はとても暖かいので、それほど慌てる必要もなかったのだが、
いずれは必要になるのだからこれでいいのだ。夏用の寝袋は東京に送り返した。

港でソフトクリームを食っていたら、あっと言う間にフェリーがやってきて、急いで乗れという。
小さめのフェリーなので、来るのも出ていくのも異様に速い。
大慌てでフェリーに乗り込むと、本当に素早く出航してしまう。
内地と北海道を結ぶ大型フェリーの感覚でいると、戸惑ってしまうことが多々ある。 

天売島までは僅か20分。
船を降りると、港の景色が似ているので違う島へ来た感じがしない。なんとも奇妙な気分だ。

「とりあえずキャンプ場に行ってテント張っちゃおうか?」

そう言われて、あんちゃんの後ろに着いていったら、港から30秒でキャンプ場に着いてしまった。港の真横なのだ。
焼尻と違って、天売はなんともお粗末なキャンプ場だ。
港の拡張工事をやっている工事現場があって、その一画をフェンスで囲い、工事用の仮設トイレを設置して、
「ここ、一応キャンプ場ですよ〜、使ってくださいね〜」という感じにしてあるのだが、
水場には屋根も無く、トイレは工事現場用のプレハブと、あまりに未整備である。
すぐ目の前は堤防、後ろは工事現場。雰囲気や景色がどうとかいう問題以前である。
これはちょっと哀しい。

それなのに、天売島には観光客が結構来ているので、キャンプ場の利用者も少なくない。
到着した日もテントが3〜4張りはあった。

天売島には何故かマムシがいる。
お隣の焼尻には一匹もいないのに、である。
もともと島には蛇などいなかったらしいので、一体どこから来たのか正確なことはわからないが、
焚き火やバーベキューに使う薪に卵がついてきたのではないか?という説もある。
北海道の全ての離島にはキツネも熊もいないのに、天売にだけ蛇がいるというのは残念な話だ。
そしてこの天売島は、野鳥の一大生息地になっているので、
野鳥の天敵である蛇がいることは、鳥にとっても人にとっても、誠に深刻な問題なのである。
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(左上) 撤収完了。いざ天売へ。
(右上) 最後に焼尻島を一周。寄り道しないと15分くらいである。
(左下) あっという間にやってきて、すぐに出航する。バスのようだ。
(右下) デッキでバイクを固定する。