■7月27日(3)  個性派揃いのアイランド

サンチョス&パンチョスだけではない。この島には数々の個性派が揃っている。

先ず真っ先に目に付いたのは、通称鬼瓦権造(オニガワラゴンゾウ:ここから先は
オレとあんちゃんで勝手に銘々した通称ばかりです。そのあたりよろしく)。

権造はいつでも自転車に乗っている。
おそらく(いや間違いなく)漁師と思われる。
推定年齢60歳?自転車の乗り方がいつもフラフラで、使い込んだ帽子をかぶり、
顔中に無精ヒゲをたくわえている。ビートたけしのキャラクター、鬼瓦権造そのものだ。
そして島中の何処にでも突如現れる。恐ろしいくらいの神出鬼没さである。
自転車で「ふら〜」っと現れると、決して見ずにはいられないナイスキャラクター。
我々が食堂でカレーを食っていたら、権造がいきなり店に入ってきた。
すると店のおばちゃんは、権造の顔を見るなり、
 「泡?」
 と尋ねる。すると権造は低い声で、
 「おう」
 と答える。
そして権造の机の上には、自動的に生ビールが運ばれてくる。
という、実にもうなんとも明快でオトコマエなシステムができあがっているのだ。
運ばれてきたビールをグッと飲みながら、権造は「プヘ〜、たまんねぇよなぁ」などとつぶやいている。
ちなみに時間は午前11時である。朝の漁を終えて、みんな昼間っから飲んでいるのだ。

港周辺にもたくさんのキャラクターが出没する。
ウニ満載のカゴを積んだまま、猛烈なスピードでフォークリフトをバックさせる、通称“しゃくれのフォーク”。
しゃくれた顎ともじゃもじゃの天パー頭、そしてパッションピンクの帽子が実にステキ。
ちょっと近付きがたい強面が魅力を更に倍増させてます。

巨体を揺すらせながらジャイロエックスで登場するのは、
通称“ジャイロのデブ” (そのまんまだな)。
小さなバイクでは足が収まらないのか、いつでも両足をだら〜っと地面につきだしたままで運転してます。
息づかいがいつでもハァハァ苦しそうです。

キャンプ場であんちゃんが餌食にされた、通称“ゴロウ”。
北の国からのゴロウさんそのものだということであんちゃんが銘々。
キャンプ場にやってくる若者に誰彼かまわず話しかけ、ちょっと気に入るとすぐに家まで連れていってしまう。
そして昼間っから酒を薦め、薦めた酒を飲まないと不機嫌になり、飲めばご機嫌になってしまう。
 「おじさんは、漁師さんなんですか?」
そう質問した時の反応速度が異常に速いらしいので、もしも会うチャンスがあったなら、必ずそう質問してみましょう!
質問がまだ途中なのに「ハイ!そうです!」と元気の良い返事が返ってくるらしいです。

通称、「衝撃おじさん」。いつの間にか背後に忍び寄り、バイクを見ながら、
 「ふえ〜っ!でけ〜ぇバイクだなぁこりゃあああ!これは外車なのか!?」
 と感動の声を上げます。ものすごいでかい声に誰でもビビリます。
そして若者に話しかけては、
 「オマエは大学生か?大学は東大か?それなら、医者になってうちの島へ来い!
  この島には良い医者が根付かないんだ。どうだ、うちの島へ来て医者になれ」
とスカウトされます。衝撃を受けてるおじさんを見ているこっちの方が衝撃を受けやすいので注意です。

こんな風に、恐ろしいほど個性的な人々(といってもオジサンばかりなのだが)がたくさんいるので、
この島は退屈しない。いや、退屈してしまう時は実は多いのだが、
そういう時にこれらの人々が現れてくれると、なんとも楽しい気分になれるのだ。

それにしても我々は、どうしてこんなところにばかり目が行ってしまうのだろうか。
通常の観光客が全く見ないような一般の人々(それも大半はおじさんばかり)の行動を見て狂喜しているというのは、
ちょっと異常かなぁとも思うのだけれど、しかし気がつくと、自然にそこへ目が行ってしまうのだ。
島に来たら、普通は海鳥(うみどり)を見るものだと思うが、我々はおじさんばかり見ては喜んでいた。
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あんちゃんがゴロウに捕っつかまっている。
既にゴロウは相当酔っている。手前にいるのは
ゴロウの愛犬。この後、物好きなあんちゃんは、
ゴロウの家まで行って一杯ごちそうになったらしい。

港にいたら、ゴンゾウが現れた!どうしてこんな港の
はじっこまで来たのか、理由がさっぱりわからない。
正面から撮れなかったのが誠に悔やまれる。
愛すべきキャラクター、ゴンゾウなのである。