■7月24日(5)  焼尻島 小さな島

午後2時の日差しを浴びながら、あまりにも気持ちの良い景色の中で、我々は一服していた。
すると、誰も居ないと思っていた草むらの中から、誰かがこっちへ向かって走ってくるのだ。
付近の草刈りをしていた島のおじさんである。

「うぉー、でかいバイクだなぁ!オマエらはどっから来たんだ?
 キャンプするならここがキャンプ場だぞ。テント張るならその辺が平らなんだぞ」

おじさんは我々の返事をろくすっぽ聞かずに、矢継ぎ早にいろんなことを話してきた。
水場はどこにあるとか、トイレはあそこだとか、下の海ではいろんなものが獲れるんだとか。
それを聞きながら、やっぱりここは小さな島なんだなーと実感してしまった。
外から来る人間に対してはみんなすぐに反応するのだ。なにしろ住民が500人しかいないのだ。
だから、島外の人間が来れば即座に反応する。じろじろ観察する。話しかける。

我々はテントを張った。
斜面が多いので、できるだけ平らなところを選んだ。
そして買い出し。もう頭の中は飲むことでいっぱい。

この島にはコンビニなんてものはないのである。
商店が何件かあって、それでおしまいだ。
野菜や肉などはフェリーで運ばれてくるのだが、お世辞にも新鮮とは言えないし、それに値段も高い。
そのかわりに海の幸が充実しているのか? というと、実はそうでもない。
商店には大したものが置いてない。漁協で直接買わないと、新鮮な魚は手に入らないのだろう。

商店で適当な食材をみつくろって買い、それからビールを買った。
普段料理なんてしない男二人のことだ。料理と言ったって内容は実にいい加減なものである。
だから食材なんてなんだっていい。酒さえあればいいのだ。

そうだ。
今日はあんちゃん持参の芋焼酎があるんだった。これはスバラシイ。
そして北海道に来たならば、やっぱりサッポロビールを飲まなくちゃ。
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話しかけてきたおじさん。
仕事なんてそっちのけなのであります。