■7月24日(4)  崖の上 草の斜面

オーニタが去り、我々はフェリーを降りて、あんちゃんの先導で島を走り始めた。
港から急な坂道を上がるとすぐ、島を一周する道路に出る。
港の近くには交番や郵便局、そして何件かの商店があり、その先に民家が数件つづいている。
しかしそれはすぐに終わってしまう。
5分くらい走ると、道幅が急に狭くなる。そこから先は海沿いの断崖上を走る。
この島をぐるりと廻っている道路の半分はアスファルトの2車線道路だが、
残りの半分はコンクリートの固い道路で、しかも車1台分の幅しかない。
左手は海、右手は牧場。午後の日差しを正面に浴びながら、海を見下ろしつつ走る・・・
・・と思ったら、急にあんちゃんがバイクのまま左手の草地に入っていくのだ。
まだ港から5分くらいしか走っていない。何かな?と思ったら、
 「すーさんここがキャンプ場だよ、ハッハッハ!」

あんちゃんはそう言ってヘルメットを脱いだのだ。
なんと!ここがキャンプ場?
テニスコート2面分くらいの草地は緩やかな斜面上にあり、真ん中には いくつかの焚き火の後がある。
しかし水場やトイレはどこにも見あたらず、単なる崖の上、といった感じだ。
ただし景色は素晴らしく、崖のすぐ下に海が広がり、道路の反対側には羊のいる牧場があった。
そして西側には、緑の丘がずっとずっと連なっていた。誠に見晴らしが良い。
よく見ると、ずっとつづいているように見える緑の丘は、途中からは お隣の天売島であることがわかった。
あまりにも近いので、陸続きのように見えてしまうのだ。

「うーん、コレはすごいです!こんな景色のキャンプ場は見たことありません!」
オレは興奮しつつ叫んだ。
「ね?いいでしょうスーさん?キャンプ場の施設的には大したことないんだけどさ、ロケーションがさ、
すごいんだよねここは。前に見せた夕日の写真があったでしょ?実はあれは、ここで撮ったんだよ。いいでしょうここ?」
確かにこの見晴らしは素晴らしかった。
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焼尻島キャンプ場。遠くに天売島が見える。
キャンプ場は完全に道ばたにあるのだ。
(ちなみに水場とトイレは少し離れた場所にある)