■7月8日  出発

夜になってからあんちゃんの家に到着し、まずは出発を祝してカンパイ。オレとしては、人生初の無期限旅行に出るにあたって、
初日の夜は何故かあんちゃんと酒を飲んでおかなくてはならないような気がしていたのだ。

かつてあんちゃんは、バイクで日本一周を達成している根っからの旅人である
あんちゃんとオレが知り合ったのも、その日本一周の途上、北海道の礼文島であった。しかし今や立場は逆転し、
オレは無職、あんちゃんは会社員なのである。
 
 「すーさんいいな〜、オレも1ヶ月くらい北海道に行きてぇなー!」

あんちゃんは芋焼酎を飲みながらオレにそう言った。
 「ハッハッハ!どうだどうだ参ったか!オレは遂に会社を辞めてやったぜ!こんどこそオレが遊ぶ番なのだ、ハッハッハ!」
オレも芋焼酎を飲みながら、かなりごきげんになってきた。
オレの長旅を羨ましがり、尚かつ悔しがり、それでもやはりあんちゃんは、上機嫌で酒を飲んでいた。
 
実はそのあんちゃんとは、7月の後半に北海道で合流する予定になっているのだ。会社員の夏休みだから1週間ちょっとが
限界だけれど、それでも充分楽しみな予定である。現地で合流したら、毎晩たらふくお酒が飲めることになる。
 
 「スーさん、そんなにたくさん時間がある旅行はこの先一生無いと思うから、東北を見ながらゆっくり北上していった方がいいよ」

 あんちゃんはオレにアドバイスをくれた。 しかしオレは先の予定がまだ決められずにいた。
 どういうルートで行くべきだろうか?そうだ、こんな時は先ず仙台に立ち寄って行こう。仙台にも、オレの友人、通称“少年”がいるのだ。
 この先どうするかは、仙台に行ってから考えよう。

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さいたま市のあんちゃん邸。
狭いアパート特有の妙な安堵感があり、個人的には好きな場所でしたが、
残念ながら今年になって引っ越しをしてしまいました。
平屋の借家とはいえ、今や彼は23区内の一戸建てに住んでます。
なんと生意気なことでしょうか!
この写真は2002年に鍋パーティー開催中の図。右にいるのはチーム文句
メンバーの少年です。その少年も、今やニューヨーカーなのだ(留学中)。
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