座標「・・5」は遠かった   2002浜松ツーリング

750キロの距離を超え、懐かしの再会は実現したのだ。
山道は気温6度。日陰は特に寒い。
我々3人よりもっと大変だったのは、実はセンセイの方だったろう。
なんといっても岡山から500キロ!の距離を走ってこなくてはならないのだ。
センセイは、その名の通り岡山で中学校の先生をしている。今は臨時講師だ
が、先だってめでたく教員本採用試験に受かったということで、これからは今
まで以上にリアルなティーチャーとしての活躍が始まることになる。

ところでこれはセンセイに聞いて知ったことだが、今般の教員ライフは かつて
に比べてだいぶ様変わりしてきたらしい。
例えば休日。
教員っていうのは夏休みが長くて実にうらやましいとオレは思っていた。しか
し、最近学校では週休2日(つまり土日休み)がすっかり定着しており、その
おかげで先生達は長い休みを取りにくくなってしまったらしいのだ。
かつて先生達の夏休みが長かったのは「普段週6日出勤していて休みがすく
ないのを、夏休みで一気に穴埋めしていた」ということらしい。ところが週休
2日になった今はそんなに長い休みは不要になり、先生達は夏休み期間中
でも部活動やら出勤日やらで学校に顔出ししなくてはならないのだ。だから
かつてのような超ロング休みは もう無いのだ。
なんだそうだったのか。
そういうわけで、先生が本採用になる前の時間のあるうちにみんなで会ってお
こう、というのがそもそも今回の集合のきっかけだったのである。

さて、我々3人が寒さと風と格闘しながらひたすら西へ向かっているころ、先
生の方では“灯油との格闘”が始まっていた。今回のツーリングは夜が相当
冷え込むことが予想されたので、先生は気を遣って、灯油ストーブを車に積
み込んで持ってきてくれたのだ(なんという優しさ)。こういう芸当は車だから
こそできるのだが、悲しいことに車の振動で灯油が漏れだしてしまったらしく、
車内が灯油の臭いで充満してしまったのだ。だからこの寒いのに窓を全開に
して走ってきたらしい。
今回の先生は相当気合いが入っていた。なんと岡山出発朝3時!(朝3時と
いえば、その頃あんちゃんは まだ思いっきり働いてた!)しかし、いくらのん
びり走ってきたとしても、3時スタートでは早く着きすぎてしまうので、先生は
名古屋あたりから下道をのらくら走りながら時間を潰していた。

その間、我々3人は必死で走り、ようやく浜松西インターに辿り着いた。

狭くて交通量が多くて面白味の無い国道をだらだら30分くらい走ると、道は
ようやく山間(やまあい)に入ってくる。田圃と畑と山の中を道はゆったりとつ
づく。日は既に傾きかけ、日陰に入ると気温が急に落ちるのがわかった。道
は最後にくねくねとした暗い山の中へ入り込む。道の狭さと勾配の具合がな
んとなく屋久島の峠道に似ている気がした。

その屋久島の道を抜けると小さな集落が現れ、いくつかの商店があり、更に
そこを抜けて田圃道を抜けたところにお寺がある。ようやく到着である。キャン
プ場はこのお寺の真上だ。

キャンプ場の敷地は予想よりもずっと大きかった。
「てんてんゴー渋川」というキャンプ場。どうしてこういう名前なのかなんて知
りもしないし調べる気もないのだが、一度来たら忘れられない名前であること
はことは確かだろう。寒いので他の客も殆どいないようで、どこでも好きな場
所を選んでいいと言われた。

バンガローを物色しているところへ、灯油の臭いムンムン車で先生が到着!
懐かしの再会である。




バンガローは斜面に建っている。物色中。
お寺の前の茶畑で。もう走らなくていいのだ。
待望のセンセー到着!久しぶりだなあ。
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