■7月28日(1) 人口500人の島
結局森脇家での酒盛りは夜の11時までつづいた。
なんだか島の人々が妙に優しくしてくれるので、それが心に染みてしまった。
さて、翌朝はやや朝寝坊気味で目が覚めた。随分と飲んでしまったもんなぁ。
起きてからしばらくはぼーっとして、それからウニ丼を食いに行くことにした。
昨日島の中をうろうろしている時に、安い店を見つけてきたのである。一杯1200円。
バイクで2分走ったところにその店はある(歩いていけばいいんだが)。
炉端焼きの店だけれど、朝からやっている。さて、1200円のウニ丼はどうだろうか?
市販のウニ丼で最安値なのは、オレの知っている限り、礼文島の元地というところにある佐藤売店で、
これが1000円である。しかし佐藤売店の1000円ウニ丼はウニがやや少ない。
それに比べて、天売島の1200円ウニ丼は結構な量である。ムラサキウニではあるが、十分うまい。
東京ではこんな値段でウニは食えないよ。
ウニを食っていたら、
「お兄さんたち、キャンプしてる人でしょ?」
我々は既に店員のお姉さん達にバレていた。小さい島は恐ろしい。更に、
「お兄さんたち夕べ森脇さんでバーベキューしてたっしょ?」
そう言われた。ゲゲゲゲ、そんなことまで見られちゃってるのかよ。さすがは人口500人の小さな島だなぁ。
まあ、考えてみれば、あんな道沿いでバーベキューなんてしていれば、見られないはずがないのだ。
「ハッハッハ!この島怖いよ!悪いことなんて絶対できないよ!」
あんちゃんは高らかに笑っていた。
豪華ウニ丼の朝飯を食ってしまうと、すっかりヒマになった。
そういえば肝心なことをまだ書いていなかったが、この天売島は、野鳥の楽園として有名なところなのである。
しかし我々の行動には「野鳥を見に行く」などということがちっとも出てきていない。
オレがそのことを書いていないわけでもなんでもなくて、実際に見に行っていないのだ。
そのうち見に行ってみようとは思っているのだが、毎日オサケ飲むのに忙しくて全然見ていない、
というよりも、根本的に興味が無いのかもしれない。
夕べは飲み過ぎたぜ。
食い物にはそれほど執着の無い我々であるが、ウニにだけは目が無いのである。
好きな食べ物は何?と聞かれたら 「ウニ!」と即答できる自信がある。
1200円で充分な量のウニ丼だった。でもその笑顔はやらせだね。