■7月24日(7)  業務用オンザロック

ビールを飲みながら、鍋の準備をはじめる。
適当な肉と野菜を切って、味噌を入れてつくるデタラメ鍋である。
日が沈む頃、鍋は完成した。味の方もなかなかである(と我々は信じ込んでいる)。

「よし、そろそろ芋焼酎行ってみっかぁ!ちゃんと氷も入れて飲むぞ。ウヒョー!」

氷は商店に売っていなかったのだが、
漁協に行って業務用の氷をわけてもらったので、それを使う。
バカでかい氷を叩き割ったものなので見た目は悪いが、
島の水はうまいので、氷もうまい。氷を入れた方が、焼酎も格段にうまくなる。

「あー、久しぶりの芋焼酎、うまいよー!北海道の住民たちよ! これからはもっと芋を飲むのだ!
 飲まなくてはいけないのだ!そうじゃないと酒が買えないからオレも困るのだ!」
オレは感激の叫びを上げながら、ぐびぐびと芋焼酎を飲んだ。

そうしている間にも、夕日が地平線にかかる。慌ててカメラを取り出す。
この日は空が乾燥しすぎていて、「空が真っ赤に染まる夕焼け」というわけにはいかなかったが、
それでも綺麗な夕日ショーであった (多少湿気が無いと空は真っ赤にならないのだ)。

夜になり、空気が少し冷えてきてからは、キャンプ場の真ん中で焚き火をしながら飲んだ。
近くにいくらでも燃やせる木が転がっているので、それを集めてきて火をつけた。
島にはこの2ヶ月くらい殆ど雨が降らなかったらしく、木が完璧に乾燥していて、
ライターの炎を直接近づけるだけで、木は恐ろしいほど簡単に燃え上がった。

焚き火を見ながら芋焼酎を飲んでいたら、あんちゃんはヘロヘロに酔っぱらってしまった。
そういえば今朝は早起きだったのだ。
それを見ていたらオレも相当酔っぱらってしまった。

一体この晩、何を話していたのやら、さっぱり思い出せないけれど、我々二人で占拠したキャンプ場で、
芋焼酎の宴会は夜遅くまでつづいたのであった。
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夕暮れの中で飲むオンザロックなのだ。