■7月24日(3) 先制パンチをくらう
羽幌港から焼尻(やぎしり)島までの所要時間は僅かに55分。
北海道の日本海側に浮かぶ周囲約10キロのこの島は、
先週行った奥尻島とは比べものにならないほど小さい。この島は驚きの連続であった。
フェリーが港に到着し、我々はカーデッキに降りて下船の準備をしていた。
ハッチが開くと地元の漁師が早速入ってきて、荷積みの用意を始めた。
上半身がやたらとデカい色黒の漁師があんちゃんをじっと見ている。
やがて色黒の漁師はあんちゃんに早足で近づいてきて、顔をにらみつけながら、
「おめえ前に来たことあるだろ?」
ものすごくでかい声でそうあんちゃんに話しかけてきた。
あんちゃんは やや驚きながら「あー、はい!」と愛想笑いを浮かべた。
この人は港のすぐ近くでヤマサ食堂という店をを経営している漁師さんなのである
顔つきがプロレスの大仁田に似ているので我々は勝手に「オーニタ」と呼ぶことにした。
以前あんちゃんが島に来たとき、食堂で何度か話をしたことがあるらしいのだが、
それにしても、4年も前に島へ来た人間の人相をよく覚えているもんだ。
しかも顔見るなり「おめえ」よばわりなのだ。
(まあこれは、漁師にとっては日常の言葉なのかもしれないけど)
それにしても、まだ島に上陸もしていないうちから我々は大仁田に先制パンチを食らってしまった。
オーニタはあんちゃんの顔を見ながら
「な。やっぱりそうだよな?おめえの顔は覚えてんだよ。うんうん」
などと言いながらさっさと荷物を降ろして行ってしまった。
(左上) 下船を待つ。この直後に、オーニタが登場したのだ。
(左下) このフェリーで島へ渡る。
(右上) いくら小さなフェリーだからって、この荷札をバイクに
貼るってのは、ちょっとねぇ・・・
(右下) 船内の様子。みんな寝てます。まあ、羽幌まで買い物
に行く人とかもいるでしょうから、バスみたいなもんな
んでしょう。