■7月24日(2)  B to C

ところで、島へ行くフェリーは、午後の2時まで無いということがわかった。
「うわー!おいどうすんだよ!2時まですること無いじゃねぇかよ!ヒマじゃねぇかよ!」
あんちゃんは叫んだ。
「いやー、参ったぞこりゃ。だってこの辺は見るものがなんにもない地域なんだぞ」
オレは結構マジメに困りながら答えた。そうなのだ。本当に何もないのだ。
仕方が無いので、地図で見つけたマイナースポットへ行ってみることにした。
「三毛別ヒグマ事件復元現場」これはなんだろうか?B級の予感大!

田園地帯の道を走り、三毛別という場所へ向かった。
この辺り、ちょっと山に入っていけば、簡単にヒグマと遭遇できそうな雰囲気である。
30分くらい走ると現場に着いた。
わらぶき屋根のぶっ壊れかけた小屋が一軒。水車と立て看板。施設は なんとそれだけだった。
想像以上のB級だ!あまりに見事な外しっぷりが、がっかりを通り越して、何故かちょっと得した気分さえする。

「うわー、これで終わりですか?本当にこれだけですか?こんなんでよく地図に観光スポットとして載せたもんだ
 よな。マジですかぁ?」 あんちゃんは笑った。
「うーん、B級を期待してきただけに、このC級っぷりには完全にやられたって感じだなぁ」 オレは答えた。

ここは、大正時代に腹をすかせたヒグマがこの部落へ現れて、村人達を手当たり次第に食い殺してしまったという
凄惨な事件現場なのである。小屋や水車は当時の模様を再現したものであり、家の中にはレトロな家具や農具が
配置されている。しかし、見るものと言えばそれだけなのだ。
(ちなみにオレはこの三毛別ヒグマ事件を本で読んだことがあったので、それなりに興味を持って見学できた。
 興味のある方は本田勝一氏の「北海道探検記」をどうぞ)。

港に戻る途中 腹が減ったので、小さな食堂に入ってジンギスカンを食った。
その後は面倒になってしまい、フェリーターミナルでじっとしていた。
早く島へ行きたい、それだけ考えていた。

さてここのフェリーだが、利尻や礼文へ行くフェリーよりも断然小さいので、夏場は車がいっぱいで乗れないこともある。
この日は運良く乗れたけれど、次回からは事前に電話をしてくれと受付のおじさんに言われてしまった。

その小さなフェリーにようやく乗って、我々は待望の焼尻島 (やぎしりとう)へと向かったのだ。
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三毛別へ向かう。
北海道らしからぬ田園風景。
三毛別ヒグマ襲撃事件跡地の看板。
どうでもいいけどその熊の絵はちょっと・・・