■7月23日  浜辺の一夜

朝からもう一度道道106へ行ってみたが、この日も利尻島は見えなかった。
時折山頂付近の稜線がにじんだように海の上に浮かび上がることもあるが、
しばらくすると薄ぼんやりしたもやの中に消えてしまうのだ

オロロンラインをそのまま北上して、来るべき離島生活に備えて稚内のホームセンターで買い出しをした。
ガス缶の大きいのを3つ購入。タバコも1カートン。

普通のライダーなら、このまま30キロ先にある宗谷岬を目指すのだろうが、オレは今のところ全く行く気がしない。
そのまま今来た道を戻り、島行きのフェリーが出る日本海側の街、羽幌(はぼろ)を目指した。
頑張ったら稚内から1時間半で到着した。

明日の朝にはあんちゃんがやって来る!待ちきれない気分である。
しかしその気分に水を差すように、キャンプ場の砂浜は騒がしくて実に不愉快である。
フェリー乗り場の目の前という理由だけでこのキャンプ場にしたのだが、
ここは完全に海水浴客向けのキャンプ場で、地元の若者たちが大勢でテントを張り、
砂浜に寝転がってラジカセで音楽を聞いたり、アベックでいちゃいちゃしたりと、なんとも実に居心地悪い。

そもそもオレは砂浜でテントを張るのが初めてなのである。
強風で砂だらけになったりテントを飛ばされたりしないかとそれが不安でもあった。
しかし夜になると風もおさまり、浜は思いの外静かになった。

砂の上というのはやわらかくて寝心地が良いのかと思っていたが、
実際には自分の体重で砂が踏み固められて、とても固いものだと知った。
それにしても、なんとも寝心地の悪い一夜だった。
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兜沼 (かぶとぬま)キャンプ場。
アフリカツインに乗っている中島さんと再会。
女の子なのにこんなに大きなバイクに乗っているのだ。